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古内の桜を守り続けたい! ~ 石川町古内の桜里づくり委員会(石川町)


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石川町谷沢古内地内の高台に樹齢400年からなる見事なエドヒガンザクラがあります。
こちらは『古内の桜』と呼ばれ、石川町内では高田桜にも劣らない銘木として知られています。

この古内の桜を守りたいと地域内の環境整備に努める「石川町古内の桜里づくり委員会(以下、委員会)」委員長の水野勝男さんを取材しました。

―― そもそもまちづくりに携わったきっかけは?

中谷地区の役員を任されたとき「地域の人を楽しませよう」と考えたのがきっかけです。
その後、委員会に加わったのですが、農家が多い地域なので農家同士のつながりだけだと農業の話しかできなくなってしまうので、他の人たちとの交流も必要だなと感じていました。

―― 交流ですか?

地域内には分水嶺(東は鮫川、西は阿武隈川)があるので、山と海とで交流してはどうかと考えました。
そこでいろいろな地域があるなか、平成21年から海沿いの久ノ浜地区(いわき市)との交流が始まりました。
その秋の久ノ浜港祭りで「石川町からも何か販売していただけないか?」と打診を受けたので、町内のリンゴやコンニャクを持っていったら久ノ浜の人たちにとても喜ばれたのです。

ところが、平成23年3月11日に……

―― 東日本大震災ですね。沿岸部の久ノ浜は大変だったのでは?

私たちも心配で震災2日後の3月13日に久ノ浜に駆け付けました。
その時はおにぎり2,100個、豚汁500人分、毛布500枚、そして水を支援物資として持っていきました。
久ノ浜の人たちは内郷や湯本に避難していましたが、そうした支援を2週間に1回、計8回行きました。
やはり交流があるからこそですね。

―― そのあと、久ノ浜とは?

久ノ浜地区とは年に4~5回は交流事業が続いています。
5月の久ノ浜のお祭りには、石川町双里地区の皆さんとお祭りに神輿を担ぎに行き、石川町の秋祭りには久ノ浜漁協も含め多くの方が来町され、楽しんで帰られます。
また、久ノ浜の子どもたちと石川町の子どもたちを募って、石川町では農業体験、久ノ浜では漁業体験を行なったりしています。
農業体験は今も続いていますね。

そうそう、「ドングリの絆」プロジェクトについてもお伝えしたいですね。
これは久ノ浜の小学生たちが集めたドングリを、石川町内の小学生たちが受け取り、育て、それを久ノ浜で防風林として植えるものです。
両地域で震災の記憶を残すだけでなく、海から離れた石川町で津波への意識を高める防災教育を兼ねた交流にもなっていると思いますね。
―― 震災が両地域の絆を強くしたんですね。

交流によって、古内の桜を見に来てもらう方も増えました。
しかし、その桜を維持するのもなかなかお金がかかります。
肥料をあげたり消毒したり、また整備しなければいけませんからね。
そこで石川町産の商品を作り販売して桜の維持費に充てようとしました。

―― そこから商品開発が始まったのですね。

まずはハックルベリージャムを作りました。
ハックルベリーの苗木をもらい、育ててジャムを作ったのですが、なかなか味が一定にならない。

そこで悩んでいるとき、親戚でもある大野農園から加工業者を紹介してもらったのです。
加工して味が安定したことで、やっとハックルベリージャムが完成しました。

―― ドレッシングも作られたんですよね?

地域内の農家さんや野菜作りされている方から玉ねぎを分けてもらってドレッシングを作りました。
作ったドレッシングは野菜を分けてくださった方にお渡ししました。

今後商品を販売して売り上げが立てば、桜の維持費や生産者への還元にあてたいですね。
作った野菜がお金になるとわかれば地元の生産者も頑張りますからね。

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(左から人参ドレッシング、玉ねぎドレッシング、ハックルベリージャム)

こうした地域おこしは続けないといけませんね。
もちろん芯は変えません。地域の人に喜んでもらいながら、新しいことにもチャレンジしていくことが大事なのではないかと思います。

―― 最後に委員会として今後どうしていきたいですか?

やはり、古内の桜をずっと守っていきたいですね。
そうしないと地域はさびれていってしまいますから。
これは一生続けていきたいと考えています。

地域おこしというと「地域内でなんとかする」ことをきっかけとする地域が多いなか、委員会さんは交流から始めたというのが驚きました。
その中で石川町内だけでなく他の市町村も含めた包括的な地域活動を行なっているというのは、なかなかできそうで難しいです。

当初はハックルベリージャムやドレッシングの取材と考えていましたが、地域おこしの事例としてもとても興味深い取材となりました。

<石川町中谷地区まちづくり委員会>
事務局 石川町大字双里字神主34-1
TEL 0247-26-1457(中谷自治センター内)

 

37.147368,140.477125

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