須賀川の旧家、市原綱稠に飼われていた白毛の秋田犬シロは、人間の言葉がなんでもわかり買い物をしたり用足しをしたりする利口な犬で、町中の評判でした。 市原家では、毎年伊勢参りを主人が欠かさず参拝するならわしになっていました。ところが、ある年主人が病気のために行けなくなってしまい、みんなで相談して、このシロを変わりにお参りさせることにしました。 そこで、「道中シロを助けて下さい」という頭陀袋を首にかけ、人間にものを頼むようにこまごまと言い聞かせて、家族が町外れまで見送って出発させました。市原家では朝晩神棚に灯明をあげて、無事に帰れるよう祈りました。 それからまるまる2ヶ月目の夕方、シロが無事帰ってきた。頭陀袋の中には、皇太神宮のお札と、宮司の奉納金の受け取りや、途中での食べ物の代金を差し引いた帳面も入っていました。 市原家ではみんな涙を流して喜んだ。また、「主人に代わってお伊勢参りをした忠犬」ということで町の大評判となって、みんなにかわいがられた。
(みちのく怪道風まかせ 引用 須賀川市 参考)
場所:来迎山白道院 十念寺
住所:福島県須賀川市池上町101
連絡先:0248-73-2216
アクセス:JR須賀川駅より車で5分
ホームページ:http://sukagawa-kankoukyoukai.jp/blog/?p=8164

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